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第ー回 生き残ったトロリーバス「環境考え導入」
第ニ回 生き残ったトロリーバス「雲上の電車」
第三回 日本唯一のケーブルカー「貨車付きと全線地下式」
第四回 縦横に走る鉄道網「ローカル最大級の地鉄」
第五回 黒部峡谷鉄道「秘境に分け入るトロッコ」
第六回 黒部ルート(上) 「鉄路は更なる奥山へ」
第七回 黒部ルート(下) 「世紀の大事業を訪ねる」
第八回 もう一つのトロッコ「知られざる立山へ」
第九回 幻の鉄道<上>岩瀬―滑川間の「海岸線」
第十回 幻の鉄道<下>富山−高岡−金沢間の「加越能新線」
第十一回 富山湾沿岸鉄道「夢よ、再び」
第十二回 新幹線後の未来交通「並行在来線にLRTを」

ポートラム コラム

LRTで街を変える
 −新幹線後 


加越能高速鉄道用地の一部は、サイクリングロードとなっている

 

幻の計画といえば、「加越能高速鉄道計画」というものもありました。「富山−金沢」、「高岡−七尾」という二つの路線のことであり、富山−金沢間については実際に用地買収も行われていたのです。

これらの地域を結ぶ計画は古くからありましたが、最終的にまとまったものとしては加越能鉄道による昭和28年2月27日の免許申請でした。

加越能鉄道は、この新線を建設するため設立された会社です。富山地方鉄道の創業者・佐伯宗義が、県西部地域の交通事業を発展させようという狙いで地鉄から独立させたのです。それも単に「県西部の交通」というだけでなく、社名にあるように「加賀、越中、能登」を視野に入れたものだったのです。

富山−金沢間のルートは、富山−太閤山−出町−津沢−金沢でした。地図上に路線を落とすと山型カーブを描く北陸線とは違い、直線で描ける最短ルートです。もちろん、当時の国鉄と並行する路線ですから、認可されること自体、非常に厳しいものであったことは間違いありません。

さらに、当時の国鉄は蒸気機関車(SL)の時代です。それに対抗して電車を使い、半分の時間で走らせるというのですから、すごい話です。最高速度100km、平均時速60kmを想定していたようです。富山−高岡間は急行で16−17分を想定していました。

富山駅を出た電車は松川右岸(右)を高架で
走る計画だった

昭和29年5月、富山−金沢間64.9kmの免許が下りました。しかし、高岡−七尾間は保留となりました。同時に二線を建設するのは財務的にも厳しいだろうと、鉄道省が「待った」を掛けたのです。34年12月、富山−金沢間のルートは高岡寄りに変更されたうえで、富山−高岡間の工事認可が下り、用地買収が始まりました。

この計画によると、「電鉄富山を基点に松川右岸をさかのぼる」となっています。今は桜の名所として名高い松川のそばを高架で走る姿を想像すると不思議な感じです。さらにレールは、安野屋町南側を経て神通川を渡ります。新富山を越えて国道8号(旧)で立体交差し、富山大学南側、下野、寺町を経て、高山線と立体交差。呉羽トンネル、花ノ木、黒河、太閤山、水戸田、庄川を渡り、蓮花寺、大野、新高岡に至るルートです。

これらのうち、高架となるのは富山−花ノ木(呉羽町)と大野−高岡間。立体交差は富山市電、射水線、国道8号、高山線、北陸線などの予定でした。

昭和40年までに予定の半分まで用地買収が終わりましたが、このころ急速に発展してきたモータリゼーションの波に襲われ、地鉄の乗客数が減少。同時に北陸線も電化されてスピードアップが図られる。こうした状況を受けて46年に「起業廃止」となったのでした。

 買収された線路用地の一部は、県が買い上げて「中央サイクリングロード」として使われています。狭い舗装道路ですが、並行する県道よりも真っ直ぐ延びており、これが、当時の鉄道計画を物語っています。富山県を東西に分ける呉羽山。そこから延びる道にたたずむと、田んぼの中を幻の高速鉄道が走ってくるような錯覚さえ覚えます。

 


第ー回 : 生き残ったトロリーバス「環境考え導入」
第ニ回 : 生き残ったトロリーバス「雲上の電車」
第三回 : 日本唯一のケーブルカー「貨車付きと全線地下式」
第四回 : 縦横に走る鉄道網「ローカル最大級の地鉄」
第五回 : 黒部峡谷鉄道「秘境に分け入るトロッコ」
第六回 : 黒部ルート(上) 「鉄路は更なる奥山へ」
第七回 : 黒部ルート(下) 「世紀の大事業を訪ねる」
第八回 : もう一つのトロッコ「知られざる立山へ」
第九回 : 幻の鉄道<上>岩瀬―滑川間の「海岸線」
第十回 : 幻の鉄道<下>富山−高岡−金沢間の「加越能新線」
第十一回 : 富山湾沿岸鉄道「夢よ、再び」
第十二回 : 新幹線後の未来交通「並行在来線にLRTを」

 

運営:未来観光戦略会議