「新LRT整備計画のすすめ」
富山日産自動車社長 白倉 三喜
富山ライトレール「ポートラム」の七色の真新しい車輌が富山駅と岩瀬浜間を走り回り、富山の町並みも、鮮やかな新緑とともに一段と輝いていると思います。「視察観光」効果も期待できるところでしょう。さて、今回の旧JR富山港線のLRT化事業は新富山市の「コンパクトなまちづくり」を進めるための公共交通機関拡充策の要として、また北陸新幹線開通とそれに伴う富山新駅や連続立体交差整備事業の皮切りとして、まさに新しい富山の「まちづくり」のシンボルと言えます。これらの一連の動きは、将来に向かって大いに期待されるのですが、一方で新幹線開通後のいわゆる「ストロー効果」も懸念されます。新幹線整備が先行した他地域を見ると、開業直後は良くても、その後の都市間競争に悩む例も数多く見受けられます。その弊害をどう迎えるか?素人ながら観光面を切り口に考えてみました。
まず、客観的な現状分析ですが、富山県は海と山に囲まれ自然環境や天然資源に恵まれており、また、それらの恩恵や働き者の県民性も相まって製造業を中心に産業面でも地方としては活力がある方だと言われます。結果として従来からも県内外のビジネス客の行き来は大変活発です。一方、天然の観光資源等に恵まれながら、観光サービス業はまだまだ伸ばす余地があります。次にかなりコンパクトな県土が挙げられます。北陸の中で富山県の面積(4246平方km)を100とすれば福井県や石川県は98.8程度と大差ありません。しかし、その形状は、福井は幅約130km、石川は約170kmに対し、富山は幅(東西)約90km、奥行が約60kmで「蝶」のような地形です。富山市がほぼ中心に位置し、県都から1時間で県内殆どの地域も行き来できる、全国でもまれな「元祖コンパクトエリア」です。
さて対策ですが、ストロー現象の一例は、東京や他県には出かけやすいが、県外からのお客様、特にビジネスマンは用事が終わるとすぐに帰ったり、他県に行ってしまうということですが、これは@私達地元の人間がもっと人に紹介出来るくらいに見所等を勉強(体験)する必要があります。例えば今の時期では「ホタルイカ海上観光」や「雪の大谷」へ行ったことがある地元の人は案外少なく、同友会メンバーでも県外からの方々は知っていたりします。(もっとも逆に東京の人がまだ表参道ヒルズに行っていなくて、我々お上りさんが行っているのと同様ですが)いずれにしても県外からのお客様に「なーん、何もないちゃ」ではなく積極的にPRすること。A「ポートラム」をきっかけにバスや既存交通機関の乗り継ぎ連携や観光ポイントへのアクセス方法、ミニ周遊コース等を整備し、割安な1日共通乗車券やお買い得クーポン等を設定する。(例えば2,3時間あれば岩瀬でシロエビを食すor高岡へ行って瑞龍寺を見学等、主要駅起点の時間帯に応じたこだわりのお勧めコース)Bそれら情報をパンフやネットで季節毎に一元的に紹介し県民皆が周知すること。そしてLight(手軽で)&Rapid(素早い)Trip(観光)=LRTを合言葉に富山のファンを増やしましょう。ストローの途中に穴(LRTスポット)をいくつも開ければそう簡単には吸い取れません。Strawは「ごく僅か。つまらない事」の意味もあります。油断は禁物ですがLRTでストロー現象を吹き飛ばしましょう。
