品格ある富山型コンパクトシティづくり
少子高齢化に対応した街・コンパクトシティとは、街の中心部に公共・業務・居住・商業等、様々な機能を集積させ、歩いて暮らせる街づくりを目指すものと言われている。だが、その手法によって大きな違いが出てきているのは確かだ。
アメリカは、中心市街地の活性化をコンパクトシティでやろうと公共施設を始め業務機能を集積させた。結果的に中心市街地であるダウンタウンの昼間人口は多くなったが、アフタ5対応・商業機能がないため夜や休日の街は寂しいものとなっている。
これに対し、コンパクトシティとして中心市街地に活気があるのは、外から人を呼び込む仕掛けとして主に公共交通LRTを活かしたまちづくりをしているヨーロッパである。ヨーロッパの中心市街地には教会・市庁舎・広場があり、広場から延びる道には特徴のある商店が軒を連ねている通りがある。日曜日は商店が休みだが、商店街はどこでも人であふれている。

大手町モールと富山城
有名なパリのシャンゼリー通りでも商店は閉まっているが、シャッターがないのでディスプレーしてある店頭部分をいつでも見ることができる。このため、ウィンドーショッピングを楽しむ人で通りに人が出ている。ヨーロッパの多くの物販店は休みでも飲食店は開いている。広場や通りではアトラクション、大道芸が演じられており、人々は中心市街地で楽しく過ごす。
平日は、広場で市場が開かれ生鮮3品はここで調達できる。お客をもてなす料理向けの野菜・果物が数多く、また品良く陳列されており、文字通りプロの店である。大型店は日本同様にメーカー品が大量陳列されている。ここはまさに日本でいうサラリーマンが仕入れた店で商品はどこにでもあるものばかり。このように市場・商店・大型店はすみ分けがなされており、中心市街地の商業はこだわりをもった市場・商店が受け持つ。
コンパクトシティを目指すなら、ヨーロッパのように商店と大型店のすみ分けまちづくりを先にすべきではないか。違いのある観光地同様、中心市街地の商店に欲しい商品・サービスを求めてわざわざ遠方からも人がやってくるような品揃え、店、仕掛けづくりが求められる。夜(アフター5)は一晩中、店舗の照明で通りも明るく、歩くのが楽しくなる街をつくるべきだろう。
さて、日本は品格を表わす歴史、文化を尊ぶ考え方が都市の景観づくりに反映される傾向になってきている。今、『品格』という言葉がいろいろな分野でクローズアップされており、国家も地域も企業も商品もそして市民個人レベルでも同じことである。歴史を活かし日本・富山型の文化を活かすという街づくりが求められ、LRTをシンボルとした「古いものと新しいものを共存させた品格のある街づくりとよりおもしろい、元気な街づくりやっているならば、人々はそこへ行ってみようかと思うのは自然である。
そして、他と違う独自の健康と持続可能な社会を志向するライフスタイルであるアメリカの「LOHAS」志向という座標軸、即ち環境、健康、文化、学習、体験、交流などといったキーワードとLRT化に伴う例えばパークアンドライド、駐輪場、駐自動二輪場の仕組み、仕掛け、工夫等によるハード・ソフト化の新しい戦略と、その戦略の実現によって全国各地、世界各地から県出身の高齢者はもとより婦人層等の長期滞在者志向の来県客が増え、持続的な成長、発展につながる品格ある富山型コンパクトシティづくりをするべきであろう。
写真 大手町モール